バンド名を冠したこのアルバムのカバーには、薄気味悪いマスクをかぶったスリップノットの面々が写っている。要保護者指導のラベルが貼られていることからも分かるように暗いイメージだ。だがスリップノットは、才能のなさを誇張表現でごまかそうとする頭のおかしなピエロ集団などではない。スリップノットのサウンドはコーンらに恩義があるとは言え、よりアグレッシブで創造的だ。実際、スレイヤーやデスメタルの方により近いが、それでいて聴き応えがあり、驚くほどにメロディが豊かだ。スリップノットと90年代にはやったネオメタル・ラップバンドに共通するのは(コーン、リンプ・ビズキットなどを手がけた)プロデューサーのロス・ロビンソンで、このアイオワ育ちのバンドを見出した彼は、自らのレーベルI Am Recordsに引き込んだ。ロビンソンのこの傑作は素晴らしいほどぞくぞくするパーカッション、サンプラー、DJ、メタリックグラインドのギターなどが入り混じっており、ヴォーカルのコリィ・テイラーの情感あふれる歌いっぷりと幅広い声域で実に聴き応えのあるものになっている。万人向けではないが、ハードな音楽が好きなファンなら理屈抜きで満足してもらえる。 --Katherine Turman