ちなみにこのアルバムは私がAC/DCを聞くキッカケになったものである。
黒のシンプルなジャケットからどんな音楽が聞けるのか、楽しみで仕方なかった。
ツェッペリンの[Stairway To Hell]を当初は連想していて、実際にコンポで再生してみれば、オープニングは暗い鐘の音で始まり、曲調もどことなくスロー。
が、このアルバムは裏切らない。
小学校の朝の会で、最初は大人しくしていた子ども達が先生の話に飽きだして段々騒ぎ出し、仕舞には先生に怒られる。そんな光景を連想させるアルバム。
スローだった曲も徐々にアップテンポの曲へ繋がれていき、"BACK IN BLACK"ではもうシャウトはあるわギタリストのアンガスは派手にソロは決めるわで耳元が相当賑やかになる。
「HELLS BELLS」で景気良く始まり、間髪いれずに「SHOOT TO THRILL」へとなだれ込む。
まるで彼らのライブを観ている錯覚に陥る。
「BACK IN BLACK」、「YOU SHOOK ME ALL NIGHT LONG」と、後に彼らのライブの定番となるようなロックンロールも収録されている。
「ROCK AND ROLL AIN'T NOISE POLLUTION」(ロックンロールは騒音公害じゃないぜ!)というのは、AC/DCのロックンロールに対する一貫した姿勢だろう。
いずれにしても完成度は非常に高く、上記のような大成功を収めたのもうなずける、ロックファン必携のマストアイテムだろう。
前作「Highway To Hell」で成功を収めた矢先にフロントマンであるボン・スコットの死。その苦難を乗り越え、新Voブライアン・ジョンソンを擁し発表したこのアルバムが全世界で大ヒット。全世界で2000万枚以上を売り上げ彼らの代表作とされる…などというネタは言い尽くされた感があるので今更書いても仕方がないのだけど、はっきりいってこのアルバムがダメな人はAC/DCの事をあきらめた方がいいです。
基本的に彼らはスタジオでは無難にまとめて、ライヴで炸裂というパターンが多いので、個人的に、掛け値なしに傑作だと言えるスタジオ盤はこれと前作「Highway To Hell」くらいしかありません(ボン時代の「Let There Be Rock」はそれに迫るかもしれんが)。逆に言えば、これと「Highway」とライヴ盤があればAC/DCの7〜8割はわかります。
とにかく、このアルバム。全曲にフックがあってルーズでかっこよくて…ある意味ロックの本質をついた超名盤です。ただタテノリで骨太なロックンロール、そしてブライアンの独特の声質に免疫がないと好きになれない人も多いのではないでしょうか。これがダメな人はAC/DCをあきらめろというのはそういうことです。
ワンパターンだなんだと言われる彼らですが、このアルバムに関してはアンガス・ヤングのリフメイカーとしてのセンスが突出してます。好きになった人はたぶん一生手元に置いておきたい作品。私はいろんなロックを聴いてますが、それに疲れたらこのアルバムを聴いて「あ〜やっぱりかっこいいな〜」とリラックスできる、精神安定剤のようなCDになっています。大好き。
「Hells Bells」「Shoot to Thrill」「Back in Black」「You Shook Me All Night Long」など代表曲のオンパレードで全曲オススメなんですが、個人的にはラストの「Rock and Roll Ain't Noise Pollution」のルーズな雰囲気がなんともいえません。AC/DCで一番好きな曲かも。
オリジナル・メンバーのひとりでリード金切り声を担当していたボン・スコットの死後、AC/DCは『Back in Black』を録音した。このアルバムについての批評を読むと、大抵の場合、悪口が書いてある。ばかばかしいガキンチョ向け音楽だ、意外性なさすぎだ、へらへらしている、暴力的、独創性ゼロ、セックスと酒のことしか考えていない、まるでマンガだ、云々。もちろん、すべて当たっているが、「What Do You Do For Money Honey」、「You Shook Me All Night Long」、そしてタイトル・トラックに代表されるパーティー・ロックがたいへんスバラシイのも事実。スコットの後を継いだブライアン・ジョンソンだって大声で堂々とがなりたてていたではないか、「ロックン・ロールは騒音公害なんかじゃない…感覚をすごく、すごく鍛えてくれる」と。だから、うかつに人を信じてはいけない。国産のビールを飲まないやつ、テレビで「3ばか大将」を観ても笑わないやつ、ボリュームを上げて『Back in Black』を聴かないやつには要注意だ。(David Cantwell, Amazon.com)